ダサすぎる私の過去
高校はバイトにあけくれる。兄ゆう君のせいで(笑)お菓子を食べれなかった私にとって自分のお金でお菓子が買える喜びは計り知れない。
特にハーバーランドのレストランでのバイトは高校生の私に衝撃を与えた。バイトが200人もいる大型レストラン。神戸の素敵な夜景が見えるという立地と特徴ある内装でお客様は常にお待ちがでるほど。社員は3名あとはみんなバイト。社員もバイトも関係なくみんなが本気で仕事してた。どうしたら売上があがるのか?どうしたらもっといいサービスが提供できるのか?スタッフにしか聞こえないインカムでは「みんなあとも少し頑張るよー」とみんなで励ましあう。
そのバイトのリーダーのT君。2つ年上の大学生。私は彼に「仕事とは何か」を教わることになる。少しでもダラダラしてるとボールペンが飛んできて「やる気がないなら帰れ!」と言われ、何のために働くのかを問われる。それまで私はバイトやしその時間言われた事をまぁ適当にやればいいと思っていた。でも彼は違った。「どうしたらこのレストランがよくなるのか?」「どうしたらみんながもっと生き生きと働けるのか?」「どうしたらお客様に喜ばれて売上があがるのか?」「どうしたら自分のスキルをあげることができるのか?」をずっと考えていた。そして嫌われるのを覚悟でずっと叱ってくれた。
なのに酔っぱらいに絡まれた時は「ここはそうゆうお店じゃありません。お引きとりください」と守ってくれた。私は彼に恋をした。
高校を卒業した私は迷うことなく美容の世界に進むメイクやエステ着付けなど総合的に勉強する美容学校に入学。この時メイクが好きで好きでたまらなかった。私の目の上は黄緑や黄色、青とほんまインコみたい。「ぴよぴよ♡」めっちゃ笑える。この頃から綺麗だった私の肌は荒れはじめる。
専門学校を卒業し某化粧品メーカーに就職。メイク好きが化粧品メーカーに就職。社販というありがたい制度を利用しまくり給料はほとんど化粧品に使う日々。そしてバイトで鍛えられたビジネスセンスはこの美容部員という仕事でも発揮することになる。
同期の成績はいつもトップ。2年目には会社からご褒美の海外旅行に連れていってもらえるメンバーに選んでいただき、先輩にまじって海外を満喫。メイク好きな私は販売だけでは物足りず、休みの日にスタジオメイクのバイトしたり、専門学校の先生について事故で顔に大きな傷をおってしまった方へカウンセリングしながらメイクをする「カウンセリングメイク」の仕事のアシスタントをする。肌にトラブルを抱え「もう誰とも会いたくない」と完全に心を閉ざした方と出会うことになる。「肌のトラブルはどうしたら改善できるのか?」「どうしたらこの人がまた笑えるようになるのか?」私の猛勉強がはじまった。
学生の頃このぐらい勉強したら、東大いけたやろうなって思うわ。好きってすごいパワーがあるねんな。皮膚理論、心理学、解剖学学ぶ目的があるし、本当に楽しかった。肌の勉強に明け暮れ自分の肌で実験しまくる日々を過ごし私は覚悟を決めた。「私エステティシャンになる!」
そしてつきあっていたT君と結婚。私はエステティシャンして働きはじめた。
彼は学生時代から起業すると決めていて、起業するための自己成長の場して大手企業を選択し勤めていた。彼の飛躍は想像を絶した。彼はつき合っている時よく自分の夢を語ってくれた。駅から30分かかる山道を毎日一緒に登りながら・・・。彼は会社で次々と賞をとり実力を発揮し、惜しまれながらも大手企業をスパッと退社し起業。まさに有言実行。
それに比べ私はダメダメの人生を歩んでいた。夢だったエステの仕事に就けたのに、気持ちは最悪。私の勤めたエステサロンは悪徳エステだった。「お客様の気持ちなんてどうでもいい売上げさえあがれば」という上司。毎週販売するものが決まっていてこのお客様にはこれが必要とかという概念はない。そこに染まっていく私・・・。きっとこれが現実なんだ。これが社会なんだって。
「私が悪いんじゃない。会社が悪いねん」心に言い聞かしながら生きてた。自分の未来をしっかりイメージしてその通り行動する彼、周りに流されて自分を見失う私。何が幸せなのか?なにがしたいのか?全く答えがわからない私は完全に人生の迷路にはまっていってしまった。
ちょうどその頃私はお腹に赤ちゃんを宿した。大嫌いな会社を退職。女性には一番都合のいい退社理由が結婚、出産である。私は専業主婦になる。彼の帰りをひたすら待つ毎日。仕事に没頭する彼。食べるのが大好きな彼のために美味しい料理を作り、潔癖性な彼のためにお家を掃除し、洗濯をした。彼のために・・・。彼のために・・・。自分の人生ではなく、彼の人生を生きていた。彼の評価が全てだった。
彼の帰りはいつも12時を過ぎていた。炊きたてのご飯が好きな彼のために2時でも3時でも炊きたてのご飯を用意した。でも仕事でクタクタな彼はご飯を食べるのもままならず、そのまま寝てしまうことも・・・。食べてもらえないご飯をみつめながら夜中に何度も泣いていた。
「私はいったい何をしているんだろう・・・」
社長である素敵な旦那さんがいて周囲からは羨ましがられた。でも私の心は空っぽだった。みんなが憧れる結婚をしているにも関わらず・・・。お金はある。でもどんなに美味しいご飯もひとりは寂しい。だからいつもなんか暗い。
そんな私に彼は嫌気がさしたんだろう。彼の心が遠くにいってしまう気がして不安でたまらなかった。
ちょっとー。みんな気づいた?私めっちゃダサいやろ。てか自分で言うのも何やけどめっちゃ暗いわ!!!これ「自分は好きなことできてなくて、する勇気もなくて、自分で稼ぐ能力もないくせに、彼から与えてもらってることを受け入れない可愛げのなさ。私なんて愛してもらえる価値のない人間や」って自分自身のこと思ってるから必然的にそんな出来事がおこってるねん。つうか自分がそう選択してるねん。偶然ちゃうねん。必然やねん。ほんで結果私どんな選択をしたと思う?「大好きな彼と別れる」彼から別れ告げられてないのに自分から「別れよう」っていうてまうねん。さも悲劇のヒロインみたいに。ほんで貧乏まっしくら。ボロボロの団地に子供と2人で暮らすことになるねん。彼のキラキラの飛躍についていけない自己否定を繰り返している自分。あーダサすぎる!!
でも私の救いは、このダサさに自分で気づいてん。(笑)「わぁーダサい!」ダサい自分を自覚しまくってん。「ここダサい」「ここもダサい」「ここもここもダサい」って。
だからダサいの卒業してん。まず現状の自分を知ってん。現在地を。それからは「素敵な世界」「好きな自分」を猛烈にイメージして設計した。「ダサい自分」から「素敵な自分」に自分の設定変えてん。ただそれだけ。そしたら今まで透明でみえてなかったチャンスがカラフルな色をつけて素敵なミュージックにのせてやってくるようになった。だからよくわかるようになった。「あっ。チャンスがきたー」って。今までチャンスは私には訪れていないと思っていた。「チャンスがなかったんじゃない。私の心がチャンスをみれてなかったんだ」はじめてわかった。ダサい自分の卒業式。その超貧乏でボロい団地に住んでる母子家庭の自分が手帳にこう書いた。
「私HIMESALONっていう真っ白でお城みたいなエステサロンを経営している。エステにはこころのケアが何よりも大事。だから心の学校をつくる。そしてHIMEに関わった全ての人の夢を叶えていく」って。
相談したほとんどの人に「そんな夢みたいな話無理にきまってるやん」「まっとうに働きなはれ」って言われた。でも。今真っ白なHIMESALONがあるし、HIMEこころの学校があるねん。面白いやろ(笑)
今言えること。今の自分に満足してないんやったら「私なんて無理」っていってても無理になるいっぽうやから「何が無理なんか」を整理して徹底的に現在地を知って「大好きな自分」ってどんなのか自分の心に聞いてみたらどうやろか?って思うねん。私が誰よりも「私なんて無理」って思ってた人間やからダサいにも程がある人間やったからどうしても伝えたいねん。
「未来は自分色に変えることができる」って。「あなたには無限の可能性があるんだよ」って。
ほんならちょっと練習♡私のダサい過去を素敵バージョンでイメージしてみよっか?
脳みそきりかえてよ。
夢だったエステの仕事に就けたて、気持ちは最高。でもなんと私の勤めたエステサロンは悪徳エステ。「お客様の気持ちなんてどうでもいい売上げさえあがれば」という上司。毎週販売するものが決まっていてこのお客様にはこれが必要とかという概念はない。
将来エステサロンを経営する私にとって「最高に悪い見本」がここにあると感じノートに書き留める。「これは絶対したらあかん」ってね。悪徳エステはそれなりに経験できたし、「したらあかんリスト」は見事完成!私は「悪徳エステ」を経験したことで「最高のエステ」をイメージできた。エステの強みも弱みも勉強できた。
自分の未来をしっかりイメージしてその通り行動する彼、新しい夢に向かう私。何が幸せなのか?そう。彼も幸せで私も幸せなこと。もちろんっしょ!!なにがしたいのか?彼の会社も順調に飛躍し、彼はナイスガイまっしぐら♡私は将来エステサロンを開業するため勉強勉強!きれいでないとエステは勤まらんから自分磨きも忘れずってなことで、休みは大好きなエステでマッサージしてもらうねーーーん。
ちょうどその頃私はお腹に赤ちゃんを宿した。大好きな人との間にベビーちゃん最高!!!私は専業主婦になる。仕事に家事に忙しかったから、つかの間の自分の時間は至福だわーーー。仕事に没頭する彼。仕事に没頭したことがある私は彼の大変さは理解できる。
「頑張れーーーーー未来のパパ♡」食べるのが大好きな私のために美味しい料理を作り←私かよ(笑)「安産には雑巾かけやで」と助産師さんにいわれお家を掃除し結果潔癖性の彼に褒められる。私のために・・・。そして彼のために・・・。自分の将来の夢のために、彼の将来の夢のために♡「普通の家族よりは一緒の時間は少ないけど、2人が楽しくて人に喜んでもらえる仕事してお金持ちになって、大きな家建てて、おしまれながら仕事はやく引退していっぱい旅行できるといいね」2人の目標は明確だった。
彼の帰りはいつも12時を過ぎていた。炊きたてのご飯が好きな彼のために2時でも3時でも炊きたてのご飯を用意するのは理想やろうけど、私は夢の中・・・・。だってお肌にわるいですもの♡でもなにがあるかわからんから可愛いパジャマは装着(笑)仕事でクタクタな彼はご飯を食べるのもままならず、そのまま寝てしまうことも・・・。食べてもらえないご飯はめでたく翌日に繰り越し。「今日はつくらんでいいぞーーー♡」とエステの勉強と称してエステにいく(笑)「私・・・めっちゃ幸せやん♡」会社を経営する社長である素敵な旦那さんがいて周囲からは羨ましがられた。私もそう思う(笑)
やっぱこーでないとな。今やったら間違いなくこの思考。あの時もこんな風に考えれたら、楽しかっただろうね。私も。そして彼も。
「未来は自分色に変えることができる♡」
渕辺和歌子